2020/01/20

大切なお知らせ

2014年3月から足掛け6年開催してきた「上州ぐんま産直市 タカサキエキビレッジ」は2020年3月の開催分をもって一旦終了させていただきます。
突然のお知らせで驚かせてしまったらゴメンナサイ。

実は今年新たに拠点を持つことになりました。その準備に全力を注ぎたいと思い、エキビレッジを終了することに決めました。

少し昔の話をします。
エキビレッジをスタートさせた2014年当時、私たちは「すもの食堂」という、八百屋のような食堂のようなお店をやっていました。
野菜のことも飲食のことも経営のことも、何もわからず勢いで始めたお店でした。日々、生産者さんから直接野菜を仕入れる中で、作り手の思いや人柄を知るにつれ、明らかに野菜の味が変わっていきました。
スーパーでお金を払って野菜を買うのとは全然違う、楽しさや喜びがそこにはありました。そしてその感動を、自分たちだけでなくもっと色んな人に知って欲しいと思いました。

とはいえ、自分たちの実力不足もあって、お店に来るお客さんはまばらで、「こんなにおいしい野菜があるのになぁ…」とか「生産者さんと直接会って話をしたときの感動や商品の魅力を10分の1も伝えられていないなぁ」と、日々悶々としていました。

そんな時、JR高崎駅さんから「駅で何かやりませんか?」とのお話を頂き「人がたくさん居るところで、生産者さんに直接商品を売ってもらったらいいんじゃない」と思って始めたのが、このエキビレッジでした。

結局、お店自体はオープンから3年で閉めることになるのですが、閉店する際に「今までやってきたことで次に繋げることが出来るのは何だろう?」と考えた時に、唯一残ったのがこのエキビレッジでした。

スタートから月日が経ち、エキビレッジで扱う「農薬や化学肥料を使わない野菜」「化学調味料や添加物を極力使わない加工品」「体に負担が少なく、素材本来の滋味深い味わいのもの」への関心が、当時と比べて明らかに高まってきたことを実感しています。

出店者さんの商品も「群馬いろは」さんや「高崎じまん」さんを始め、県内の色々な場所で買えるようになりました。それはもちろん、それぞれのお店の努力あってのものですが、私たちが今までエキビレッジをやってきたことも、少しは役に立てたのかなとも思っています。

そして一方で、エキビレッジの運営に携わる私たちには「自分たちの場所が欲しい」という気持ちがずっとありました。

月に二日だけ高崎駅にやって来て、イベントが終われば何もなかったように消える。
運営の自分たちには、場所は作れても自分のお店も商品も無かったので「あなたたちの商品はどこで買えるの?」とお客様から言われるたびに、絶えず葛藤がありました。そして「他の人の場所で何かを造り込むことへの限界」も感じていました。

この6年間「自分たちは何がしたいのだろう」ということをずっと考えながら、音楽フェス、古家具販売、空き家リノベーション…色んなことをやってきました。

その試行錯誤の中で、私たちの興味の中心に「今ここにあるものでどうやったら楽しく暮らせるか?」という想いがあることに気が付きました。

「この土地で採れた野菜や果物やお肉」だけでなく、ここから見える山々、ここにしかないお店、ここに暮らす人、都会でも田舎でもなく、足元にあるものにちゃんと目を向けて、ここにあるものに感謝して、この土地で生きていく。
そういう日々の暮らしの積み重ねに、私たちは豊かさや喜びを感じるということを知りました。

昨年の9月に「ここなら自分たちのやりたい世界がつくれるかもしれない」心からそう思える場所と出会いました。JR北高崎駅から徒歩5分築40年の、元はバレエダンススタジオだった建物です。

私たちはこの建物に「住吉音楽堂」という名前をつけました。今までやってきた音楽イベントをここでもやりたい、という理由もあるのですが、それ以上に「暮らしの中で生まれる音を楽しめるような場所にしたい」と思いました。

時計の針の音、包丁とまな板の音。お湯が沸く音。鳥の鳴き声や、水の流れ、雨や風…

暮らしの中にあたりまえのようにあるものに、ちゃんと耳を澄ませて、心穏やかに、そしておおらかに、日々の暮らしを丁寧に見つめ直せるような、そんな場所にしたいと思いました。

どんな場所になるのか、いつオープンするのか、正直まだ私たちにもわかりません。それでもきっと、私たちがこれから大切にしていきたいものを表現できる場所になるということだけは確信しています。

これまでエキビレッジを楽しみにしてくれたお客様、頼りにしてくれたお客様にご迷惑をお掛けしてしまう事は重々承知の上ですが、どうか我々のわがままを通させてください。
そして、もし次の一歩を応援して頂けるのであれば、これからも暖かく見守っていただけたらとても嬉しいです。

最後になりますが、今までエキビレッジを続けてくることができたのは、高崎駅関係者の皆様や出店者の方々、そして何より足を運んでくださったお客様の支えあってのものでした。タカサキエキビレッジに関わって頂いたすべてのみなさまに心から感謝しています。
6年間本当にお世話になりました。

エキビレッジの開催は今月を入れてあと3回、計6日間となります。どうぞ最後までお付き合い下さいますよう宜しくお願いいたします。

2020年1月20日
エキビレッジ実行委員会
金井良平・智美

※エキビレッジ終了後、お買い物にご不便の無いように、高崎駅周辺や県内で商品を購入できる場所の一覧を準備しています。(2.3月の開催時に配布予定です)

最後まで読んでいただきありがとうございました。